歯周病治療

歯周病の程度
【1期 歯肉炎】
歯周ポケット=3mm以内

歯周病菌の出す毒素などで歯ぐきに炎症がおこる。赤く腫れるが、見ただけではわからないことも。

歯の周りの歯垢や歯石を取り除き、毎日規則正しくていねいにブラッシングを行う。
【2期 軽度歯周炎】
歯周ポケット=3〜5mm

歯周ポケットという溝ができ、歯垢や歯石がたまる。歯ぐきから出血したり、膿が出ることも。歯槽骨が溶け始める。

歯周ポケットの歯石を取り除き、ブラッシングとマッサージを行う。
【3期 中等度歯周炎】
歯周ポケット=5〜7mm

炎症が奥まで進み、歯ぐきはブヨブヨした状態になり、血や膿が出て、口臭もひどくなる。歯槽骨がかなり溶けて、歯がぐらついてくる。

ブラッシング、マッサージ、歯石の除去(SRP※)と、必要に応じて歯周外科手術を行う。
【4期 重度歯周炎】
歯周ポケット=7mm以上

歯周病の末期症状。歯槽骨がほとんどなくなって、歯根が露出する。ものを噛むことはできず、歯が抜けることも。

歯の保存は難しく、抜歯が必要となることが多い。

歯周病とからだの病気(全身のさまざまなところに影響を及ぼす)
歯周病は歯を失う大きな原因。歯は、食べ物がはじめて出会う「消化器」であるだけに、歯周病で歯を失うと、からだ全体に大きな影響が及びます。さらに、歯周病が全身のさまざまな病気に関わっていることがわかってきています。
■:生活習慣病  ■:それ以外の歯周病と関係がある要注意の病気
【狭心症・心筋梗塞脳】
心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈が狭くなったり、詰まることでおこる心臓病。動脈硬化が進行しておこる。
【心内膜炎】
心臓の弁に歯周病菌が感染しておこることがある。心臓弁膜症など、基礎的な病気がある人は要注意。
【糖尿病】
血糖値が高い状態が続いておこる。ひどくなると、さまざまな合併症をもたらし、歯周病もその一つといわれる。
【胎児の低体重・早産】
妊娠中はつわりなどで、口の中のケアがむずかしくなりがち。歯周病が妊娠・出産に影響を及ぼすというデータも
【バージャー病】
手や足のゆび先が青紫色になって強い痛みがおこり、潰瘍になってひどくなると細胞が死んでしまう(壊死)病気。喫煙者に多い。
【認知症】
物忘れが病的になった状態。何らかの原因で脳が萎縮するアルツハイマー型と、脳卒中の後遺症としておこる脳血管性がある。
【動脈硬化】
高血圧や脂質異常が進んで、血管が厚く硬くなった状態。血液がスムーズに流れない虚血性の心臓病や脳卒中の原因になる。
【がん】
歯周病菌によって炎症がおこり、それが続くことで正常細胞に異常をきたし、発がんに結びつくという説も出てきている。
【肺炎】
歯周病菌など、口の中の細菌が気管に入り込み、肺炎にかかることも。高齢者・寝たきりの人や、脳卒中の後遺症などで飲み込む力が低下しているとおこりやすくなる。
【肥満】
肥満はさまざまな生活習慣病の温床。最近、おなかに脂肪がつく内臓脂肪型肥満がメタボリックシンドロームの大きな原因になるため、とくに問題になっている。
【骨粗しょう症】
女性に多く、骨密度が低くなり、骨がすかすかにもろくなる病気。骨折しやすく、高齢者の寝たきりの大きな原因。
   
【歯周病】
歯垢(プラーク)の中の歯周病菌が、歯ぐき(歯肉)に炎症をおこしたり、歯根膜や歯槽骨を溶かしてしまう病気。
歯垢は歯の表面につく白いネバネバした物質で、この中に細菌がすみついている。
手抜き歯みがきや不規則な食生活などが歯垢の増える原因に。